スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

4月, 2019の投稿を表示しています

▶歴史は繰り返す

<<「歴史は繰り返す」20120401>> ノーベル賞をもらった益川さんは、受賞のインタビューで「特別にうれしくありません」と言ったり、スウェーデンで行われたノーベル賞の記念講演の時に、「アイ・キャント・スピーク・イングリッシュ」と冒頭に英語でぶちかまして会場の聴衆を笑わせたりと破天荒な人だなと思っていた。 丸善で偶然、益川さんの本を見つけたので読んだ。「学問、面白くなくちゃ」という本。その本の最初に、「自由とは必然の洞察である」という言葉が唐突に出てくる。何のことか、さっぱり分からなかった。 自由は英語では、FreedomやLibertyだが本来は束縛されないとか開放とかの崇高な意味があって欧米人はすごく大事にする。自由の女神はアメリカの象徴であり、入植者たちは西部開拓で新天地に自由を求めた。銃規制が進まないのも自由の精神が足かせになっていると思う。電車の端っこに座っている欧米人に理由を聞くと、「体の半分くらいは自由にさせてくれ」と応えたという。 明治維新にFreedomやLibertyが西洋から入ってきた時、ガチガチの封建主義の中にいた当時の日本人には、このような概念がなかったのではないかと思う。漢籍に詳しい誰かが、自由という漢字を当てはめた。英語とは少しニュアンスが違う。勝手気ままという意味あいが強い。 自由とは勝手気ままに振る舞うことなのか。これが益川さんの問題提起である。 ここに2つの箱がある。どちらかの箱に100万円が入っている。もう一方の箱には猛毒の青酸ガスが入っている。このようなシチュエーションで箱を開けるという自由があるかと言う問題。 50%の確率で命を捨てるような人はいない。大抵の人は、安全かどうかを事前に良く調べて箱を開けるだろう。それをやったら結果はどうなるかという必然性を洞察することで、はじめて自由を手にすることができると言う。それが、「自由とは必然の洞察である」という言葉の意味ということである。これは、ドイツ観念哲学の祖のヘーゲルが言ったことらしい。 益川さんは、この言葉が気に入っていて科学を通して、こうすれば、ああなる、という必然性の洞察をして自由を拡張することに研究の意味があると考えているそうだ。                ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 私たちが、何も考えずに自由にやっていることも、

エントロピーの法則

<<エントロピーの法則( 20190411 )>> コンピュータ上のデータを守るためのハッシュ関数というものがある。ある文字列をこの関数にかけると、訳の分からないデタラメな暗号になる。コンピュータを使うときの鍵になるパスワードは、この関数で暗号化されている。これからから元の文字列を導き出すことは簡単には出来ない。これは一方向性関数と呼ばれている。人生において、ほとんどのことは、この一方向性関数ではないかと最近思ようになった。うなぎを捕る道具に「うなぎ筒」というものがある。餌の匂いにつられて筒に入ると後戻りできなくなり捕まってしまう道具だ。これも後戻りできない一方向性だ。 タレントのピエール瀧がコカインを飲んで捕まった。 才能のある人だったのでショックを受けた。 一度、麻薬を飲んでしまうと止めることは並大抵のことではないらしい。最初は、風邪の症状が取れますよ、とか、疲れが和らぎますよ、という軽い言葉に釣られて飲むらしい。でも、一度飲んでしまうと止められなくなってしまうらしい。麻薬を使うと反社会的行為として逮捕されるが、詐欺や窃盗などのように留置所に入って反省すれば更生できると言う簡単なものではないらしい。一度やってしまうと、脳に浸み込んでウイルスのように脳細胞を侵していく。病院に入らないと治らないという。麻薬で捕まった時に、多くの人が警官に「ありがとう」と言うらしい。これで、麻薬地獄から開放されるという安堵感から出る言葉だろう。麻薬を飲む前の生活に戻りたいとみんな考えているそうだ。「薬止めますか、人間止めますか?」というのは、自死を助長する最悪の標語らしい。そんなに簡単な話ではないということだ。 麻薬常習は、 犯罪というより病気に近いからだ。これも一方向性関数ではないのか。 時間は前に進むだけで決して過去には戻れない。タイムマシンの話では、過去をイジるのはタブーとされている。人は年をとるに従って老いていくが若くなることは決してない。髪の毛も白くなり数も減っていく。朝起きたら昨日より若返っていたということは絶対にない。 若返りの水を飲みすぎた村人が赤ん坊になったという昔話を読んだことがあるが、こんなことはあり得ない。 人が住まないと家は汚れて行くし朽ちて行く。このような廃家が急速に増えていて社会問題になっている。根には少子高齢化がある。 人が住