駐車場に湧水がしみだしているのでコケを植えることにした。コケが水分を吸い取って育っていく。これは一石二鳥だと思った。しばらくは順調にコケが育ったが、そのコケをひっくり返す輩が出てきた。最初は、近くの子どもの仕業ではないかと思ったが、観察しているとカラスだと分かった。コケの根につく虫をカラスがほじくりだしていたのだ。 ネットで調べると、カラスはワサビやトウガラシなどの辛いものが嫌いだと書いてあった。早速、スーパーに行って鷹の爪を買ってきて撒いてみた。効果てきめん、カラスは全く寄り付かなくなった。何羽ものカラスが来ていたが、すべてが一斉にいなくなった。一羽が食べてみて、これはやばいと思ったので、他のカラスにも伝えたのだろう。カラスのコミュニケーション能力はすごい。 鷹の爪の命名は、江戸のコピーライター平賀源内だそうだ。実際の鷹の爪もこんな形をしているのか確かめてみたいものだ。源内先生ありがとう。
散歩をしていると、いろいろな人に出会います。声をかけると意外な話を聞けることがあります。 公園の草刈りをしている人からはこんな話を聞きました。「数年前、定年退職して、何もやらずに家でテレビを見たりお菓子を食べたりして、毎日ゴロゴロしていたら体重が増えて心筋梗塞になりました。『軽い運動をした方が良い』という先生の指示に従って草刈りを始めました。おかげで、心臓も良くなり健康を取り戻すことができました。」 次は、家の前で落ち葉の掃除をしている人の話です。「私は、好きで落ち葉の掃除をやっているのです。春になると芽吹いて、夏は青々とした葉を茂らせ、秋になると紅葉して、冬になると葉を落とす。こんな自然のサイクルを見ていると気持ちが休まるのです。若いころ、この生け垣を伐採してブロック塀にしようかと考えた時もありましたが、緑を残しておいて良かったと思っています。」 もう一人は、1年中、道路の雑草を刈ったり、落ち葉を拾ったりしてくれているお年寄りのお話です。「以前飼っていた犬が死んでしまい、散歩に行かなくなったので、何か運動をしたいと思って草刈りを始めたんです。4時から始めて2時間かけて家の近くの道をぐるっと回って草刈りをします。冬でも汗をかきます。その後に風呂に入るんです。これが気持ちいいんです。こんな生活を20年くらい続けています。もうすぐ90歳になりますが、草刈りをやっていなかったら、ここまで生きて来れなかったかもしれませんね。」 草刈りや落ち葉の掃除は、面倒くさくてやりたくない仕事だと思っていましたが、世の中には、それを生きがいにしている人もいるのですね。