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4月, 2007の投稿を表示しています

地球温暖化と猫

「我が輩は猫である」の中盤以降に、八木独仙という哲学者が出てきてこんなことを言っている。 「西洋の文明は、先進的だが、限りなく人間の欲望を追求するので、いつまで経っても、不満足だ。日本人は、心を自由にして、限られた境遇の中でも満足していられる。西洋人は、山があったら崩して町を作る。日本人は、動かすことが出来ないものとして山に住む」 今の地球の温暖化という現象は、限りなく人間の欲望を追求する西洋の考え方を押し進めた結果とも言える。漱石は、イギリス留学の時に、100年も先の地球を見ていたのかも知れない。

猫 読了

「我が輩は猫である」をようやく、読み終えた。 かなり、読み応えがあった。 青い鳥文庫にも、日本の名作として載っているが、これは、中高生が読めるものではないと思った。 ホトトギスに明治三十八年(1905年)の1月から翌年の8月にかけて、11回に分けて連載されたものである。イギリス留学で心を病んだ漱石がリハビリのつもりで書いた作品と言われている。 この小説が、ベストセラーになったというのだから、今から100年以上前の明治の人の知識レベルの高さに驚いた。 幕末から文明開化を経て近代国家に移行した日本を見た漱石の苦悩を記録した、一種のブログのようなものだと思った。