「我が輩は猫である」の中盤以降に、八木独仙という哲学者が出てきてこんなことを言っている。 「西洋の文明は、先進的だが、限りなく人間の欲望を追求するので、いつまで経っても、不満足だ。日本人は、心を自由にして、限られた境遇の中でも満足していられる。西洋人は、山があったら崩して町を作る。日本人は、動かすことが出来ないものとして山に住む」 今の地球の温暖化という現象は、限りなく人間の欲望を追求する西洋の考え方を押し進めた結果とも言える。漱石は、イギリス留学の時に、100年も先の地球を見ていたのかも知れない。