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9月, 2007の投稿を表示しています

三つのお墓

落ち葉談義も終わって帰ろうとすると、立派なお墓を見ながら和尚さんが話し始めた。 「人を殺めたり、泥棒をしたりした人は、お父さんや、お母さんと同じお墓に入れないんだよ」 「そういう人は、どこに入るんですか?」 「お墓の横に河原で拾って来た石があるだろう。その下に入るんだよ」 「そこの楠の木の横にある棒が立っていますが、それはなんですか?」 「もっと悪いことをした人が入るお墓だよ」 「えっ」 人を殺めたり、泥棒をすることより、もっと悪いことってなんだろうと考えたが思いつかなかった。すると、和尚さんは、また、ゆっくり話し始めた。 「それはね。自殺をした人のお墓なんだよ。自殺は人を殺めたり、泥棒をしたりした人以上にもっと罪深いことなんだ」 「どうしてですか?」 「せっかく、いただいた命を自ら断つと言うことは、自然の摂理に背いている。そして、お父さん、お母さんを悲しませる。友だちや先生も悲しませる。自分だけの問題だと思ったら大間違いなんだよ」 この話は、ある講演会で聞いた話をまとめました。

葉っぱの話

和尚さんが境内の落ち葉を集めていた。 そこへ、少年がふらりと入って来た。小山になった落ち葉をいじって遊んでいたが、突然、話しかけて来た。 「葉っぱって、みんな違うんですね」 「同じものなんてないよ」 「不思議ですね。ムシキングとか、どうぶつの森とかいうゲームもあるけど、みんな同じ形だし、同じように動きますからね」 「自然では、絶対にありえないことだよ」 「ボク、学校でいじめられているんです。チビだから」 少年の足を見ると大きな青い痣があった。 「みんな、違っていて当たり前ということが分からない子どもが増えているんじゃないだろうか。それはね。大人にも責任があるんだ。子どもの遊びを金儲けに利用してしまった。遊べる自然を子どもたちから奪ってしまったんだ」 「周りに広場もないですからね」 「子どもたちもゲーム機やパソコン、携帯電話ばかりいじってないで、身近な自然にもっと接するべきなんだ」 「今度、みんなを連れてきますから、葉っぱの話をしてください」 「わかった。みんなで、焼き芋でもやろうか」

台風の夜

台風の夜、雨の音に眠りを遮られて目が覚めた。急に庭木が心配になって外に出てみた。横殴りの雨が容赦なく吹き付けてきた。点検を終えて戻ろうとして玄関の扉に手をかけたとき、ドドドという音がした。 新聞配達のバイクの音だった。雨合羽を着ていたが、ずぶ濡れだった。悲壮感すら漂っていた。感謝しながらポストから新聞を引き抜いて居間で読んだ。また、政治家の横領の話が出ていた。人間としてどっちが偉いのか、それは明らかなことだった。

PASMO

遅ればせながら磁気の定期からPASMOに変えた。改札を通る時のピィという音と共にゲートが開く軽い感覚が何とも気持ち良い。 読み込みのトラブルが多かった磁気式に比べると、まさに、これがイノベーションと言えるものだと思う。システムを根底からひっくり返してしまった。 ハードディスクも半導体メモリに置き換わって来ている。どちらが高度な技術を使っているかは明らかだ。でも出来ることは同じ。だったら安くて便利な方へ走る。 研究開発して技術を積み上げる時代から便利なものをタイムリーに利用して行く方が勝つ時代になってきた。この便利さを追求する風潮がどこかに空洞化を生み出すのではないかと言う心配も少しある。