日本人は、戦後のモノのない時代から、ずっと豊かさを求め続けてがんばってきた。気がつくと求めれば何でも手に入る時代になった。小学生の娘は誕生日のプレゼントに欲しいモノがないと言う。それほど、モノがまわりに溢れている。 今、加島さんが書いた「求めない」が売れているそうだ。タオイストで、大学を退官して山の中で仙人のような生活を送っている人である。浮き世のしがらみを捨てて山に入ったのだから、彼の生活自体が、求めないものなのであろう。 ---------------------------------------- 求めない すると心が静かになる 求めない すると今持ってるものが活き活きしてくる 求めない すると大切なものが見えてくる 求めない するとほんものを探してる自分に気づく 求めない すると求めたとき見えなかったものが見えてくる ---------------------------------------- こういう詩が延々と続いている。 モノが豊かになれば幸せになれると言うことを信じて、がむしゃらに突き進んできた日本人が、青い鳥なんていないと気づき始めたのが、今なのかもしれない。 この本の始めのところで、こんなことも言っている。 ---------------------------------------- あらゆる生物は求めている。 命全体で求めている。一茎の草でもね。 でも、花を咲かせたあとは静かに次の変化を待つ。 そんな草花を少しは見習いたいと、そう思うのです。 ---------------------------------------- 我々は、モノ以外の本当の青い鳥を見つける時期に来ているのかも知れない。