ジャーナリストの嶌 信彦氏の講演を聞いて、これからはイタリア人の生き方に学べ、と言われてから、どうもイタリアが気になりだした。イタリアというと、男は女の尻を追いかけているとか、スリが多いとか、時間にだらしないとか、あまり良い印象はない。しかし、イタリアの熱狂的なファンも多い。ヨーロッパ旅行はイタリアしか行かないなんていう人もいて、どこにそんな魅力があるのだろうか、と思っていたところに、「アモーレの国、イタリア」「イタリア人の働き方-国民全員が社長の国-」という本に出会った。読んでいると、基本的な考え方が日本人と全く違っているということがわかった。
たとえば、日本の会社は昼休み時間が1時間あるが社員食堂で5分で食事をして、後は居眠りをして時間をつぶしている人が多い。食事は仕事をするためのガソリン補給ぐらいにしか考えていない。残業や休日出勤は当たり前。月曜日は定時より30分早く出勤して営業ミーティング。仕事が終わっても飲み屋で仕事の話が続いている。休日は疲れ切ってごろ寝で過ごす。偉くなると接待ゴルフに接待マージャン。日本のサラリーマンの生活は仕事中心に全てが回っている。
イタリア人は、昼食時間が2〜3時間あるだけでなく、ホームメードの料理を食べるために自宅に帰る人が多いということだ。毎日、たっぷり会話や食事を楽しむ。ジョギングも皇居の周りをねじりハチマキで走るようなことはなく、おしゃべりをしながらゆったりと楽しみのために走っている。当然、定時になったらさっさと会社を出てアフターファイブを楽しむ。有給休暇が溜まって消化できないとか、残業という言葉も聞かない。仕事は、生活のほんの一部で決まった仕事が終わったら自分の生活を楽しもうと考えている人が多い。
だからといって仕事が面白くないわけでもない。儲けより仕事の楽しさを重視する。どんなに儲かっても、退屈でつまらない仕事はやりたがらない。だから、経営者も無闇に会社を大きくしようとは思わない。質の高いオンリーワンの分野を追求していく。入社試験でどんなに筆記試験出来ても、会社に入って実現したい夢を持っていない社員は決して取らない。イタリアの経営者の多くは収益を上げることが経営目的の第一義でなく、事業を通して自分の独創的な考えや夢を実現させて地域社会に貢献すること、そして、人生を大いに楽しむことを重視している。
結局、イタリア人は、自分の楽しみや幸せというものが人生の中心に来ているという点が日本人と一番の違いだ。結果だけでなくプロセスを楽しむという考えが日本人には全くない。何のために働いているのかと聞かれて明確に答えられる日本人は少ないと思う。定年退職をしてしまうと人生の全てが終わってしまうと言う人生は悲しい。ジャーナリストの嶌 信彦氏は講演でこのことを訴えたかったのではないだろうか。これからは、大いにイタリア人に学ぼうと思う。
最後に小話を一つ。
静かに釣りを楽しんでいるイタリア人に日本人が話しかけた。
日本人「釣りをするんだったら最新式の仕掛けでなきゃダメだよ」
イタリア人「そんなに釣ってどうするんだ?」
日本人「そこの魚屋に持っていけば高く売れるよ」
イタリア人「売ってどうするんだ?」
日本人「もちろん、お金を稼ぐのさ」
イタリア人「そんなに稼いでどうするんだ?」
日本人「新しい仕掛けを買ってもっと釣るんだ」
イタリア人は、あきれた顔をして竿をたたんで帰ってしまった。
一生、こんなことをやっている日本のサラリーマンって幸せだろうか?
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「アモーレの国、イタリア」
タカコ・半沢・メロジー著
中公文庫
「イタリア人の働き方-国民全員が社長の国-」
内田洋子/シルヴィオ・ピエールサンティ著
光文社新書
たとえば、日本の会社は昼休み時間が1時間あるが社員食堂で5分で食事をして、後は居眠りをして時間をつぶしている人が多い。食事は仕事をするためのガソリン補給ぐらいにしか考えていない。残業や休日出勤は当たり前。月曜日は定時より30分早く出勤して営業ミーティング。仕事が終わっても飲み屋で仕事の話が続いている。休日は疲れ切ってごろ寝で過ごす。偉くなると接待ゴルフに接待マージャン。日本のサラリーマンの生活は仕事中心に全てが回っている。
イタリア人は、昼食時間が2〜3時間あるだけでなく、ホームメードの料理を食べるために自宅に帰る人が多いということだ。毎日、たっぷり会話や食事を楽しむ。ジョギングも皇居の周りをねじりハチマキで走るようなことはなく、おしゃべりをしながらゆったりと楽しみのために走っている。当然、定時になったらさっさと会社を出てアフターファイブを楽しむ。有給休暇が溜まって消化できないとか、残業という言葉も聞かない。仕事は、生活のほんの一部で決まった仕事が終わったら自分の生活を楽しもうと考えている人が多い。
だからといって仕事が面白くないわけでもない。儲けより仕事の楽しさを重視する。どんなに儲かっても、退屈でつまらない仕事はやりたがらない。だから、経営者も無闇に会社を大きくしようとは思わない。質の高いオンリーワンの分野を追求していく。入社試験でどんなに筆記試験出来ても、会社に入って実現したい夢を持っていない社員は決して取らない。イタリアの経営者の多くは収益を上げることが経営目的の第一義でなく、事業を通して自分の独創的な考えや夢を実現させて地域社会に貢献すること、そして、人生を大いに楽しむことを重視している。
結局、イタリア人は、自分の楽しみや幸せというものが人生の中心に来ているという点が日本人と一番の違いだ。結果だけでなくプロセスを楽しむという考えが日本人には全くない。何のために働いているのかと聞かれて明確に答えられる日本人は少ないと思う。定年退職をしてしまうと人生の全てが終わってしまうと言う人生は悲しい。ジャーナリストの嶌 信彦氏は講演でこのことを訴えたかったのではないだろうか。これからは、大いにイタリア人に学ぼうと思う。
最後に小話を一つ。
静かに釣りを楽しんでいるイタリア人に日本人が話しかけた。
日本人「釣りをするんだったら最新式の仕掛けでなきゃダメだよ」
イタリア人「そんなに釣ってどうするんだ?」
日本人「そこの魚屋に持っていけば高く売れるよ」
イタリア人「売ってどうするんだ?」
日本人「もちろん、お金を稼ぐのさ」
イタリア人「そんなに稼いでどうするんだ?」
日本人「新しい仕掛けを買ってもっと釣るんだ」
イタリア人は、あきれた顔をして竿をたたんで帰ってしまった。
一生、こんなことをやっている日本のサラリーマンって幸せだろうか?
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「アモーレの国、イタリア」
タカコ・半沢・メロジー著
中公文庫
「イタリア人の働き方-国民全員が社長の国-」
内田洋子/シルヴィオ・ピエールサンティ著
光文社新書
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