慣性の法則と言うものを高校の授業で習った。静止している物体はいつまでたっても留まっていたいし、動いている物体は止まりたくない性質を持っているという法則である。何かを始める時にはそれなりのエネルギーが必要だ。
一念発起して、今日から早朝ジョギングを始めることにした。辺りはまだ薄暗く東の空が白み始めていた。こんな時間に走っている人なんかいないと思っていたら、走り去る後ろ姿があった。僕だけじゃないんだと、背中を押されるようにして走り始めた。亀のような走りだが、どうにか走り通せた。背中にうっすらと汗が出ていた。
ほんの10分走っただけなのに、今日は妙に頭がすっきりしている。力がみなぎっているようにも感じる。最近、味わったことがない感覚だ。駅の階段を登る足取りも軽い。いつもと何かが違う、僕の中の何かが変わり始めているという感じがした。
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