久しぶりに、新幹線から富士山を見た。何度も新幹線に乗っているが、富士山がきれいに見えることは非常にまれなことだ。時間帯、座席、天候がうまく合わないと見ることができない。
今日は、窓側の良い席がとれた。時間も昼前の一番明るいときだった。雲が一つもない良い天気だった。遠くの家並みの上に頭一つ出た白い冠が見えて来た。見えたり、隠れたりしながらしだいに大きくなって、静岡を過ぎた辺りで、その荘厳な姿が眼前に現れた。僕にとって富士山は、山と言う概念をはるかに越えた宗教的なシンボルになっている。
ふと、こんなことを考えた。アメリカは、何で富士山に原爆を落とさなかったのだろうか?本当に日本を憎んで滅ぼそうとしたのなら、そうしたのだろう。しかし、富士山にも京都にも鎌倉にも手を付けなかった。日本のアイデンティティは守られた。
そんなことを考えているうちに、富士山はもう姿を消してしまった。富士山に元気をもらって出張先に急いだ。
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