6時に仕事を終えて、大井競馬場から競馬通りを西に向かって歩いていた。真正面のビルの谷間に大きな太陽が沈みかけていた。立会川へ出るために、横断歩道を渡ると歩道橋の横でスーツ姿のサラリーマンが3人、空を見上げていた。何だろうと思って、同じ方向を見ると、絵に描いたような見事な虹が出ていた。東の空一面の巨大な虹だった。思わず携帯で写真を撮った。
虹を見たとたん、嫌なことや面倒なことを全く忘れて、しばらくの間、見入ってしまった。巷のチマチマしたことは、どうでも良いように思えて来てしまった。立会川の駅前に行くとみんな虹を見ていた。みんな幸せそうな顔をしていた。自慢げに道行く人に虹の講釈をしている人もいた。
京急に乗っても名残惜しくて、見えなくなるまで虹を見ていた。畏敬の念を持って自然と向き合っていた古代の人の心を垣間見たような気がした。
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