【特派員 高尾広志(横浜在住)】
先日、公立中学校の先生方と意見交換をする機会があった。今、学校では生徒たちに大きな変化が起きていている。酒、タバコ、薬物などの問題は減り、教師や生徒に暴力を振るうような、いわゆる不良は姿を消して、スマホやSNSを使った陰湿なイジメが増えている。多くの悲惨な事件がニュースになっているが、学校に来ることができない、自宅訪問しても会ってもらえない、そんな不登校や引きこもりの生徒が増えているという説明があった。
スマホで何でも調べられる、ボタン一つで何でも手に入れられる、SNSで瞬時に何万人にメッセージを伝えられる、こんな便利な時代が今まで、あっただろうか。この便利さの影で、引きこもって、もがき苦しんでいる、たくさんの子どもたがいる。どうしたら、この子どもたちを救うことができるか。今、子どもたちの間で起きていることは、心の中で起こっている公害ではないのか。
物質的に豊かになった高度成長の頃、日本列島は、ひどい公害に苦しんだ。それから50年、日本は技術で公害を克服した。学校だけでなく、現代のこの便利さを享受している全ての人たちが、知恵を出し合って、この問題を克服していく必要があると痛感した。(20190615)
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